住まいの情報
梅雨を前に考えてみる、家の湿気対策について
初夏を感じさせると共に五月も過ぎようとしていますが、
新緑が美しいたいへん動きやすい季節になりました。
私も突然気が向いて会社玄関周りの植木剪定をしたのですが、普段使っていない筋肉が働いたからでしょうか・・・
手が微妙に震えたり、若干の筋肉痛が出たりと・・・。体を動かすと気持ちが良いですが、何ともナサケナイ・・・(^-^;
でもお陰様でモサモサしていた植込みがスッキリし、ご来社された皆さんを
さっぱりとした雰囲気でお迎えすることができるようになりました♪
この時期を迎えると、合わせて気になりだすのが台風や集中豪雨、そしてまもなく迎える梅雨のことです。
昨年は予想外の雨によって何回も工事を延期せざるをえなくなり、結果として新築工事の工期が遅れてしまいました。
何度も空を恨めしく見上げたものです。今年はどんな気候になるのでしょうか?今から心配したりしています。
ニュースでも報じられているとおり、近年雨の降り方が過去に経験したことのないほど多量の局地的豪雨になったり、
関東に近づく台風勢力が強くなるなど変化をしています。
地球温暖化が原因とか日本の気候が亜熱帯化しているのではないかという話しも度々耳にしますが、
どちらにしても台風に対する建物強度など家の作り方にも変化に応じた対応が求められるようになるのかもしれません。
このような近年における気候の変化とは別に、
一般的にはやはり梅雨を迎える時期に気になるのが室内の湿気対策かと思います。
湿気の多い大気中の空気がとどまってしまうと、不快なだけでなくカビの発生にもつながってしまいます。
実は人が家の中で生活をするだけでかなりの量の湿気を出しています。
例えば人の息や洗濯や調理などの家事など水を利用するものから全て湿気が出てきます。
この室内の湿気をコントロールするというのは、意外と意識しない部分かしれませんが、
さらに梅雨時期の湿気が加わると湿度計の針を大幅に上昇することなどが結構あります。
そんなわけで、湿気対策は様々ありますが、今回は家を新築する際に検討できる
梅雨時の湿気対策について簡単にまとめてみようと思います。
●風通しの良い間取りで空気を動かす
最近の住宅は気密性の向上と共に窓を比較的小さくする傾向だったりするので、
昔のように風を積極的に取り込むような考え方は薄れています。
ですが、ちょっとした工夫により風通しの良さにも違いが生まれるので、
プラン検討の際に窓を設置する位置や高さ、そして開閉の向きなどを検討することも大切かと思います。
敷地の中でこの時期にどの場所が一番風の通りが良いか、または風の向きなど、
その土地の特徴も考慮し設計に反映できると良いでしょう。
●換気扇やシーリングファンで空気を動かす
前項とほぼ同様ですが、最近の新築される住宅は高い気密性と
24時間計画換気により一定量の換気がされています。
したがって湿気も同時に排出されています。
ですが、湿気の量は各部屋同じではありませんし、間取りや換気計画によっては
家の隅々までスムーズな換気がされているかはわかりません。
例えば、室内に空気の流れを意識した室内窓を造るとか、
各室ドアなどをできるだけ開けておくなどの工夫も効果があるかもしれません。
更に天井などにシーリングファンを付けるなど
積極的に室内の空気を動かす工夫も大変効果的なのではないでしょうか。
●エアコン等で除湿をする
現在では、気温と湿気で不快を感じる時はエアコン等による換気・除湿というのが一般敵かと思います。
もちろん電気代がかかってしまいますが、特に室外の湿気が
非常に高い時には頼らざるをえないというのが現実的です。
最近はエアコン機器も高性能で省エネになり快適性という意味では
たいへん効果があるのかと思いますが、
直接風が当たることで不快を感じる方やエアコンに匂いが気になるなど、
色々な理由でエアコンを使わず過ごしたいという方も増えている現実がありますので、
他の方法と併用で考えるのが良いかもしれません。
●調湿性のある材料を使う
主に壁に使う材料の中に調整性をもったパネルなどを貼ったり、
漆喰や珪藻土など調湿性をもった材料を使用することで室内の湿気をコントロールするという方法があります。
室内の壁・天井の面積は大きいので効果も感じられますし、
またその中でも漆喰は強アルカリの性質がありますのでカビ菌が生存しにくいという利点もあります。
●湿度調整可能な工法を採用する
少し特殊にはなってしまいますが、所謂工法の利用という対策もあります。
弊社でも壁の中に通気層を設け湿気を積極的に排出するという工法もあるので少し紹介させていただきます。
それが通気断熱WB工法というものです。
既に採用して何年も経ちますし、実は私の自宅もこのWB工法で新築しました。
入居後に経験した最初の梅雨時期には、通常のジメジメ感との違いが期待通りで、
室内環境がカラッとして意外な快適性にある意味驚きを感じました。
このWB工法は最近「WB HOUSE=深呼吸したくなる家」とブランドイメージを一新しました。
・・・工法というと何か固いイメージでしたから、たいへん親しみ易くなったのではないかと思います。
「WB HOUSE」に限らず、壁内に通気層を設け、積極的に換気を行う工法も数多くある一方、
省エネ住宅を追求し気密性と断熱性を高める住宅の作り方が大勢を占めているのも現実ですが、
断熱は良いとしても、気密性能を高め過ぎた住宅というのは
デメリットも意識しなくていけないのではないかと感じています。
気密性能を高めるということは、換気の効率は良くなるものの、
換気に頼らなくては湿気も空気の入れ替えもできないということになってしまいます。
人が呼吸するように、家にも呼吸が必要なのではないか。
もちろんそれが冬季の室内温度を下げて健康を害するようでは困りますが、
温度差により開閉自動の換気部材との合わせ使いで冬暖かく、夏涼しいという室内環境を実現しています。
以上、簡単に湿気対策を書いてみましたが、
私自身は四季という気候風土がある日本で梅雨もひとつの季節感なので、
程度問題ですが・・・少しゆとりをもって季節感を楽しめたら良いなと思ったりもしています。
例えばお子さんの情緒性を養ったり、夏の風鈴のようにちょっとした
アイデアが生まれてきたりと良い面もあるかもしれません。
高性能な機械設備等で強制的にコントロールされた室内環境ってどうなのかなと、
少し素朴な疑問も感じつつのこの頃です。
人によって感じ方も考え方の違うのかと思いますが、
いずれにしてもこれから迎える梅雨の時期を健康に暮らせるよう色々な工夫が必要ですね。
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