設計スタッフの徒然話
地球温暖化から省エネ生活を考える
いよいよ初夏の暑さが身に染みる季節となってきました。
近年夏が来るたびに熱帯夜や電力不足の話題、更に熱中症患者の増加など・・・今年はどうなるのか?
不安を感じる方も少なくいと思います。
地球温暖化が各方面で問題視されているものの、改善に向かうというよりは更に悪化が進み、
私たちの身近でも「前にはこんなこと・・・なかった」というように、
経験したことのない異常な気象現象が話題に上がることが多くなっている気がします。
そんな中、環境省は先月「温暖化影響総合予測プロジェクト」の成果として、
水資源・森林・農業・沿岸域・健康の分野におけるその影響をまとめ、発表しています。
概要を列記してみると
●水資源への影響
豪雨の頻度と強度が増加して、洪水被害が拡大し、土砂災害やダム堆砂が深刻化する。
積雪水資源の減少は、北陸から東北の日本海側で代掻き期の農業用水の不足を招き、
降水量の変化によって九州南部と沖縄などで渇水のリスクが高まる。
●森林への影響
温暖化に伴う気温上昇・降雨量変化によって我が国の森林は大きな打撃を受ける。
ブナ林・チシマザサ・ハイマツ・シラベ(シラビソ)などの分布適域は激減し、
今世紀の中頃以降、白神山地もブナの適地ではなくなる。
また、マツ枯れの被害リスクが拡大し、1~2℃の気温上昇により、
現在はまだ被害が及んでいない本州北端まで危険域が拡大する。
●農業への影響
我が国のコメ収量は、北日本では増収、近畿以西の南西日本では現在とほぼ同じかやや減少する。
さらに、コメの品質低下、他の穀物や果樹などの生産適地の北上や減収によって農業に大きな影響が及ぶ。
気候変動、人口の増加による需要増、投機による価格高騰、バイオ燃料への転用などが重なれば、
日本への食料供給に対しても影響が生じる可能性がある。
●沿岸域への影響
海面上昇と高潮の増大で、現在の護岸を考慮しても、浸水面積・人口の被害が増加する。
特に、瀬戸内海などの閉鎖性海域や三大湾奥部では、古くに開発された埋立地とその周辺は浸水の危険性が高い。
また、海面上昇は汽水域拡大による河川堤防の強度低下、沿岸部の液状化危険度リスクを増大させる。
●健康への影響
温暖化によって健康への脅威が増す。
気温とくに日最高気温の上昇に伴い、熱ストレスによる死亡リスクや、熱中症患者発生数が急激に増加し、
とりわけ高齢者へのリスクが大きくなる。気象変化による大気汚染(光化学オキシダント)の発生が増加する。
感染症(デング熱・マラリア・日本脳炎)の媒介蚊の分布可能域も拡大する。
どこをとってもその影響は深刻ですが、特に健康面への影響は年毎に実感できるのではないでしょうか。
今年の夏も猛暑が続くようであれば、熱中症患者は更に増加していくのかもしれません。
熱ストレスによる死亡確率は、変化の少ない県でも約2倍、大きな県では5倍以上に拡大するとも指摘されています。
既に大きな企業の省エネ対策は進んでいますが、
中小企業や、一般の私たちの生活環境を変えていかない限りその状況を好転させることは難しいようです。
新築する住宅の省エネ性能を向上させる。既存の住宅についても省エネ性能を向上させるべく取り組むなど
住宅や建物が余分なエネルギーを使わなくても快適に過ごせるような性能で建築されることも大切ですし、
当たり前ですが・・・エアコンを使いすぎない、できるだけ家電は最新の省エネタイプに変えるなどなど・・・
可能な範囲で各人が細かく実践していくことが大切です。
又、以前ご紹介した環境共生木造住宅なども注目すべき内容かと思います。
少しでも地球や環境・・・そして人にやさしいことを実践することが、現代に生きる私たちに求められています。
初夏を迎えて、改めて省エネを強く意識しながら生活したいと思う今日この頃です。