ちょっと・・ひとり言
不都合な真実 地球温暖化を考える
今頃・・・とも思うのですが「不都合な真実」のDVD買ってみました。
内容は皆さんご存知のとおり、アル・ゴア元アメリカ副大統領の
地球温暖化問題の講演活動を追いかけたドキュメンタリー映画です。
正直ある程度知っていたつもりでも・・・結構ショックを受けました。
時が経つにつれ、世界中の山々で雪が少なくなってきている。
川や湖が乾上った結果、船だけが砂漠に残された奇妙な光景。
南極や北極の氷が溶け出した結果、北極グマが氷を探すことができず100キロを泳ぎ疲れて溺れ死んだり、
このまま溶け続ければ、海面が上昇しオランダはほぼ全域、
ニューヨークや北京など世界中の都市も海の下に沈み
20万人もの難民が住むところを捜して移動するだろう・・・などなど。
他にもそんな・・・と絶句するような予想や異変が数多く紹介されています。
もう待ったなしのひどい状況。
ゴチャゴチャ言わないで、できることからやりましょうよ!と自然と声があがりそうな内容でした。
自然保護などが経済とも密接に絡み合い複雑な問題であることは理解できますが・・・
でもこれからの子供達に人間が住める地球を残してあげることは大人の責任だと思います。
ぜひご興味の無い方も一度ご覧いただきたいと思います。
それで・・・一番大切なことは、明日から自分たちは何を変えていくのか?
どのように生きていくのか?ということだと思います。
私達は住宅を建築するものとして、既に省エネで断熱性能の良い住宅を目指して来ましたが、
更にもっと進めることが必要です。
今や単純に断熱性能を上げることが全てではないこともわかってきました。
同業者の間でも、高気密高断熱住宅は留守の時でもエアコンを回さないと
夏場に暑くてどうしょうもない!という声があちらこちらから聞こえてきます。
生活自体の見直しを含め、もっと総合的に考えていかないと本当の省エネは実現しないのだと思います。
住宅の省エネ技術に関してだけ考えても
自然風の利用
昼光利用
日射熱の利用
太陽光発電
太陽熱給湯
断熱計画
日射遮蔽手法
暖冷房設備計画
換気設備計画
給湯設備計画
照明設備計画
高効率家電機器の導入
水と生ゴミの処理と効率的利用・・・
その他、地熱利用などもあるかもしれません。
実はこれらは国の外郭団体が自立循環型住宅として研究・推進している中身の一部です。
自然循環型住宅って?とご存知ない方も多いかと思いますが、
「気候や敷地特性などの立地条件と住まい方に応じて極力自然エネルギーを活用した上で
建物と設備機器の選択に注意し居住性や利便性の水準を向上させつつ、
居住時のエネルギー消費量(CO2排出量)を2000年頃の標準的な住宅と比較して50%まで削減可能で、
2010年までに十分実用化できる住宅」とのことです。(なんだかわかりにくいですね・・・)
要するに住宅のエネルギー消費量を今の半分にするためにもっと知恵を使いましょう!と研究されているわけです。
様々な研究が行われているのですが、その中には昔からの生活の知恵みたいなものも含まれていて、
例えばスダレの効果や、屋根の深さなど先人の知恵についてデータを取って検討されていることも少なくありません。
また、間取りでも風通しの良い間取りと、そうでない場合、又、窓の位置関係によって涼しさが明らかに違います。
そう考えていくと・・・当社で採用しているWB通気工法は土壁の原理で透過透湿効果を利用した、
まさにそのような技術の内に含まれるのではないでしょうか?(すみません。宣伝になってしまいますが・・・)
何が言いたいかというと、建築に携わるものとしてやるべきことは山ほどあるということです。
京都議定書に基づく、日本の二酸化炭素は、削減どころか、議定書策定時より逆に増えているそうです。
もしこのまま増え続け、1.5%増えたら、もう後には戻れなくなるそうで、
その時期をポイント オブ ノーリターンと呼ぶそうです。
それが いつか?このまま行けば後10年もないという説だそうです。
そこまで行くとすぐに2%上昇が予想され、地球全体の環境が相当変わるだろうと言われています。
今回の映画での予想がまさに現実のものとなってしまうのです。
今からでも間に合うと映画の中でも訴えられていましたが、
「今、私に何ができるか?」考えなければ
溺死した北極グマと同じ運命を人間がたどることになってしまいます。
今回のドキュメンタリー映画がアカデミー賞を受賞した後、
ゴア氏の活動とは裏腹に、ゴア元副大統領が、自宅で平均の20倍にあたる電気を消費していることや、
温水プールや敷地内の車道にガス灯が設置されているといった生活ぶりが暴露されてしまったそうです。
しかし、そんなことはどうでもいい。
何とかしなければ・・・という思いを実行に移すことが今の大人達に求められていことだけは確実です。
この映画を息子と見終わった後、
息子は早速立ち上がり「お父さんエアコンの温度が低いよ!」と29度の設定に・・・。
素直に行動に移せることは素晴らしいな♪と思ったのですが・・・
これって冷房???・・・
いやいや自分にできることから・・・
と、我慢大会になったことが・・・現実との難しさの一端を表しているのは言うまでもありません