ちょっと・・ひとり言
頭の良い子が育つ家
「頭の良い子が育つ家」という面白い本を見つけました。
結構人気があるようで、先日も12チャンネルのWBSでマンションのコンセプトにしている会社が紹介されていました。
「頭の良い子が育つ家」=頭の良くなる家・・・???と思われる方も多いのではないかと思います。
内容は有名私立中学の合格者である子供さんがどのような環境で育ったのか?
200件以上の家庭を調査して、家の間取りに共通のある傾向に気が付いたということです。
合格した子供さん達は、さぞかし小さい時から家の中に良い環境の部屋を与えられて、
血道をあげて受験に取組んだのか?・・・といえば、
実はそうではなかったというのです。(高校・大学は本人の意思が大事なようです)
「キーワードはコミュニケーション、家庭の団欒」という意外な結果が出て、
子供さん達の様子はどうかといえば、リビングや茶の間など自分で好む場所に机などを持ち込み、
親とコミュニケーションを取りながら勉強した子供さん達に結果が出ていて、
自分の部屋にこもり黙々と勉強した子供さんではないということです。
これは試験の傾向が変わってきており、暗記問題の傾向が薄れ、
その子供さんの考える力や人を説明する力に重点を置くようになってきていることも原因のひとつのようです。
当然、単に知識を詰め込むよりはコミュニケーション能力が重視されます。
私たちも住まいの設計をする時に、子供部屋をどのように配置するか?
どのような部屋にしたいか?についてご両親のご意見や子供さん達の希望を良く聞かせていただきます。
これは、ご両親が子供さんをどのように育てたいのか?どのような人間になってもらいたいのか?
まさにこれからの生活、新しい家での生活風景を大事にしたいからです。
最近はリビングの中に2階へ上がる階段を配置し。子供さんと顔を合わせることを重視されている方もかなり多くなりました。
「頭の良い子が育つ家」を読んで改めてお考えいただければ・・・と思う点は、
子供部屋をどのようにしたいか?フル装備で過ごし易い部屋にするのか?それとも・・・ということであります。
居心地の良い個室にテレビ・電話・インターネット…何でもありにすれば、当然子供さん達が部屋にこもる可能性も高くなります。
本で紹介されているように、家事をするお母さんの脇で勉強させるなど
コミュニケーションを取り易くすることも彼らの人生の中に大きく影響を与えていくのではないでしょうか。
もちろん、これが全て良しということではありませんし、
夫々にメリット・デメリットがあることも考えなくてはいけません。
因みに、本の中の書かれている●あなたの家をすぐに「頭のよい子が育つ家」に変える10カ条は以下のとおりです。
1.子ども部屋を孤立させないようにしよう。
2.家中を勉強スペースにしよう。
3.おうちの中で、引越ししてみよう。
4.子どもと家族の記憶に残る空間を演出しよう。
5.お母さんのスペースを贅沢にしよう。
6.親父の背中をみせる工夫をしよう。
7.おもてなし空間を意識しよう。
8.五感で感じられる空間にしよう。
9.『書く』コミュニケーションを実現しよう。
10.ギャラリー空間を設けよう
如何ですか?各内容の詳細は本をご覧下さい。
いずれにしても、私も小学生の子供を持つ父親として、
又、住宅設計者として、
中学受験以前に、子供達とのコミュニケーションを取ることの大切さと、
そこに家づくりが大きく係わっていることを改めて考えさせる一冊でした。
当社としても、ご家族がお子さんとコミュニケーションの取り易い、
楽しく暮らせる家をご提供できるよう今後も一層の工夫をしていきたいと思います。